レモム?
2018
いらっしゃいませ。今回は「レモンとライム」のアイデアと、着想のきっかけとなった食材の記憶をご紹介いたします。
見た目の記憶
なぜ今回はテーマ食材が2つあるのか。実は一つに絞りきれないことが、今回のポイントです。さて、みなさんへ質問です。子どもにレモンとライムの違いを教えるとしたらどのように教えますか?
おそらく多くの人はレモンは黄色、ライムは緑色というように「色」の違いを教えてあげるのではないでしょうか。つまり見た目の記憶を基準に物を区別して認識しているということです。
これはレモン?ライム?それとも...?
それでは、もし黄色と緑色が曖昧に変化してしまったら、人はそれをレモンなのかライムなのか区別できるのでしょうか?
今回はその実験のために、様々な条件で色が変化する「レモンのようなライムのようなもの」を準備いたしました。これを実際に触ったり、水で洗ったりしながら、人の認識がどう変化していくのか実験してみたいと思います。
実験1:触ってみる
このライムは、触ると黄色に変化してしまいます。あれ、黄色ということは...レモン?でしょうか。
実験2:水に半分つけてみる
レモンを水につけてみます。まずは半分つけてみました。すると半分だけ緑に。半分レモンで半分ライムなので、とりあえずレモムとでも名付けておきましょうか。
実験3:水に落としてみる
レモンを水にドボンと落としてみます。せーの、ドボン!一瞬で緑に変化してしまいました。これはもうライムですかね。
実験4:息を吹きかけてみる
ライムに息をフゥと吹きかけてみます。吹いたところだけが黄色に変化しました。ライム時々レモンって感じでしょうか。
実験結果
みなさん、どうだったでしょうか。レモン=黄、ライム=緑。そんな色(見た目)の記憶でモノを認識している場合、そのモノの色が変化すると意味すらも変化してしまうことが体験できたのではないでしょうか。
色が変わる正体はコチラ
今回、開発にあたりパイロットインキ株式会社様の温度で色の変わる特殊なインク「メタモカラー©︎」を使用して制作いたしました。このインクは1975年に開発され温度で色が変わる特性を生かした筆記具やマグカップ、グラス、Tシャツ、雑誌からビールやワインのおいしい飲み頃サインなど様々なシーンで利用されているそうです。※なお当アートは実際の食品ではありません。また「メタモカラー©︎」は食品、並びに食品に直接触れる用途には使用できません。
おわりに
今回は、温度で色が変わるインクを使用することで、見た目の記憶に依存する意味を曖昧に変化させるというアイデアでした。当店では、このように特殊な技術を生かしたアイデアの実現も積極的に行なっております。
それでは、引き続き当店の食材アイデアをごゆっくりお楽しみくださいませ。